不妊とEDの関連性
EDは、妊娠を希望するカップルにとって大きな障害になりえます。タイミングを計って子作りをしても、勃起しなかったり射精できなかったりするためです。この出来事をきっかけに、2人の間に隙間風が吹くこともあるでしょう。お互いを信頼できないと、子作りを続けることは難しくなってしまいます。
ここで気になるのがEDを発症する状況です。これまで問題なくセックスを行えていた男性が、妊活をきっかけに勃起しなくなることは少なくありません。状況はさまざまですが、よくあるきっかけといえるのが「タイミング法」の導入です。タイミング法は、医師が指定した妊娠しやすい日時に子作りする方法といえるでしょう。カップルにかかる負荷が小さいため、不妊治療のファーストステップで導入されることが一般的です。
一見すると問題のない治療ですが、医師またはパートナーから日時を指定されると、意欲をそがれる男性が多いようです。自然な流れとは言えないため、気持ちが盛り上がりにくくなってしまいます。「今日はセックスをしなければならない」「今日は必ず射精をしなければならない」などのように自分を追い込んで、セックスが嫌になる男性もいます。
指定されたタイミングで勃起しなくなる状態を、一般的に「タイミングED」、「排卵日ED」と呼んでいます。このような通称ができるほど、男性にとっては身近な問題です。妊活に与える影響は小さくないため、カップルで解決するべき問題といえるかもしれません。
妊活中の男性がEDになる原因
妊活中の男性がEDになる原因はさまざまです。主な原因として以下の3つがあげられます。
- 病気やストレスを抱えている
- 妊娠にプレッシャー感じている
- 妻にだけEDの症状になる
それぞれの原因について詳しく解説します。
病気やストレスを抱えている
妊活のタイミングでEDになったからといって妊活に原因があるとは限りません。心身の問題で勃起しにくくなっていることも考えられます。例えば、日常生活で生じるストレスが原因となり、性的な興奮をペニスへ伝達できなくなっていることがあります。ストレスの例として、以下のものなどが考えられます。
【ストレスの例】
- 仕事が忙しすぎる
- 職場の人間関係に問題がある
- 過去のセックスで勃起しなかった、射精できなかった
- 夫婦関係がうまくいっていない
問題になっているストレスは人により異なるといえるでしょう。本人が明確に自覚していないこともあります。
うつ病をはじめとする精神疾患もEDの原因になりえます。アルコール依存症も精神疾患に含まれるため注意が必要です。また、治療に使用する抗うつ薬などの中には、勃起に悪影響を及ぼすものがあります。ちなみに、ストレスや精神疾患などで引き起こされるEDを心因性ED、薬剤の影響で引き起こされるEDを薬剤性EDといいます。
病気や怪我でEDになっていることも考えられます。よくある原因としてあげられるのが動脈硬化です。動脈硬化は、血管が弾力性を失った状態といえるでしょう。血管が拡張しにくくなり、ペニスに十分な血液を送れないため、勃起しにくくなってしまいます。動脈硬化は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病と密接な関係があります。持病を抱えている方は十分な注意が必要といえるでしょう。
妊娠にプレッシャー感じている
妊活あるいは妊娠に対するプレッシャーもEDの原因になりえます。前述の通り、タイミング法を導入すると、妊娠しやすい(子作りをする)日時を医師から指定されます。これまで自然な流れで行ってきたセックスがスケジュールに組み込まれると、義務的な取り組みに思えることが少なくありません。「楽しみ」から「義務」に変化することで、プレッシャーを感じる男性が多くなります。重圧に押しつぶされて、勃起しにくくなることがあるのです(心因性ED)。
浜松第一クリニックが、妊活経験がある20~40代の男女1,169名を対象に実施した「妊活中のセックスに関する実態調査2020」によると、妊活中にEDを経験した男性の割合は次の通りです(対象は妊活前からEDになっていた男性を除く499人)。
年齢 | 割合 |
20~24歳 | 56.7% |
25~29歳 | 32.1% |
30~34歳 | 34.9% |
35~39歳 | 23.6% |
40~44歳 | 28.9% |
45~49歳 | 26.7% |
全体の33.9%が妊活を始めてから勃起しにくくなった、勃起しなくなったなどを経験しています。該当者が考える主な理由は「子作りへのプレッシャーや不安(54.3%)、「妊活を始めてからのパートナーの態度や言動の変化(32.7%)」「仕事などによる疲労(27.8%)」です。[1]妊活はEDを引き起こしやすいイベントといえるでしょう。
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妻にだけEDの症状になる
妻にだけ反応しなくなっていることも考えられます(=妻だけED)。原因はケースによりさまざまです。例えば「妻とのセックスがマンネリ化して性的興奮を感じにくくなっている」「結婚や出産をきっかけに妻を異性としてではなく家族として見るようになっている」などが考えられます。いずれにせよ、妊活に支障を与える状態といえるでしょう。
妻だけEDの問題点はこれだけではありません。妻以外の女性であれば勃起する点も問題になりえます。以前と変わらず大切に思っていたとしても、この状態を知られると妻を深く傷つけてしまう恐れがあるからです。妊活でセックスを避けられない場合は、信頼関係を損なわないように注意しつつ、解決していく必要があるかもしれません。
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妊活中のEDを夫婦で乗り越える方法
妊活中のEDは、カップルにとって大きな問題になりえます。どのように乗り越えればよいのでしょうか。
基本の取り組みといえるのが2人で話し合うことです。お互いに感じていることや悩んでいることを正直に打ち明けることで精神的な負担を軽減できます。劇的な改善につながることは少ないかもしれませんが、状況を悪化させないために行っておきたい取り組みです。
子づくりを目的としないセックスに取り組んでみてもよいでしょう。プレッシャーから解放されることで、これまでのように勃起するかもしれません。セックスがマンネリ化している場合は、ローションやアダルトグッズなどを使って新たな刺激を加えると気分を一新できる可能性があります。
問題が解決しない場合は、夫婦でカウンセリングを受けることも考えられます。専門医などを交えて話し合いを行うことで、解決策を見いだせることがあります。相談機関によっては、心因性EDに有効とされる心理療法を受けられる点も魅力です。
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ED男性の妊活方法
男性がEDになってしまった場合、どのように妊活を進めればよいのでしょうか。
これまで通りセックスを楽しむ
妊活を始めると、妊娠しやすい日以外はセックスをしない夫婦が増えるといわれています。
子作りのためだけにセックスをすると、男性に大きなプレッシャーがかかってしまいます。
セックスが愛情を確認し合う行為ではなく、子どもを作る行為になってしまうからです。
セックスを特別な行為にしないため、これまで通りセックスを楽しむことが重要です。
ED治療薬の使用
ED治療薬も妊活方法の一つとしてあげられます。主な働きは、酵素を阻害して、血管の拡張をサポートすることです。以上の働きを期待できるため、プレッシャーを感じている状態でも、EDを改善できる可能性があります。精子・パートナー・赤ちゃんに悪影響を与えることは基本的にないと考えられています。
2022年4月から、条件を満たすことで保険を適用できる点も見逃せません。対象になるのは、妊活に取り組んでいてEDが不妊の原因になっている場合です。具体的には、次の条件などを満たさなければなりません。
【条件】
- 泌尿器科で5年以上の経験がある医師が診療にあたっている
- 診療ガイドラインに基づきEDと診断されている
- 本人またはパートナーが、6カ月以内に一般不妊治療・生殖補助医療(ともに保険診療)を受けている
以上の通り、厳しい条件が設定されています。妊活に本格的に取り組んでいるカップルが対象といえるでしょう。
精力剤の使用
バイアグラやレビトラ、シアリスなどのED治療薬を使用するには、医療機関を受診しなければなりません。
インターネットで購入できるもの(個人輸入)は約6割が偽造品という調査もあるため使用しないほうがよいでしょう。
出典:厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課:偽造医薬品問題の現状と対策について
恥ずかしいなどの理由で受診が難しい場合は、薬局で購入できる精力剤を活用する方法もあります。
例えば勃起を促すヨヒンビン製剤や男性ホルモン剤、漢方薬など様々な医薬品があります。
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精力剤の相談はあかひげ薬局まで
妊活中のEDについて解説しました。
紹介した中で最もおすすめなのは男性用塗り薬などです。
セックスが義務になることや心身に疲労がたまることで、勃起しなくなることがあります。
お悩みの方は、最初に精力剤を試してみてはいかがでしょうか。精力剤専門の薬局として35年以上の歴史がある男女精力剤専門店のあかひげ薬局までご相談ください。
[1]出典:浜松第一クリニック「妊活中のセックスに関する実態調査2020」
https://www.hama1-cl.jp/internet_research/pregnancy_life.html
内原 茂樹 / Uchihara Shigeki
株式会社ワン・ツー創業者
あかひげ薬局創業者
<略歴>
芳香園製薬に入社し、各地支店長を歴任したのちに、独立。
1987年に愛知県名古屋市に精力剤専門店あかひげ薬局を創設。
数多くのTV・ラジオ番組に出演
「おとなの子守唄」「艶々ナイト」「今夜もハッスル」などに出演。
<主な著書>
「中高年のための気持ちいいセックス」(1997年10月、現代書林)
「誰にも聞けなかった精力剤完全ガイド」(2001年3月、現代書林)
<メディア>
・艶々ナイト(テレビ埼玉)
・今夜もハッスル(サンテレビ) 等