彼氏や夫がEDになったときにパートナーができること

EDはErectile Dysfunctionの頭文字をとった略語で、日本語で勃起不全または勃起障害といいます。具体的には、次の状態を指します。

【EDの概要】

• 満足な性行為に必要なだけの勃起をえられない状態が続いているまたは再発すること
• 性行為中に勃起はしてもそれを維持できない状態が続いているまたは再発すること

つまり、勃起の問題で満足に性行為を行えない状態をEDというのです。したがって、性行為中に全く勃起しない状態だけでなく、勃起はしてもすぐに萎えてしまう状態、興奮しているのになかなか勃起しない状態、しっかりと硬くならない状態などもEDに含まれます。EDに悩む男性は非常に多いといえるでしょう。

一般社団法人日本臨床内科会が発行している「わかりやすい病気のはなしシリーズ２３ED(勃起障害)Q&A」によると、日本国内のED患者数は推計１,１３０万人とされています。具体的な内訳は記載されていませんが、４０歳以上の３人に１人が該当すると考えられるためここからもEDが身近な問題であることがわかります。

また、浜松町第一クリニックが２０～７９歳の男性２,０００名を対象に実施した「日本のED(勃起不全)有病者数調査２０１９」によると、２０１９年における軽度型ED(たいていは十分に勃起し維持もできる)、中等度型ED（ときどき勃起し維持できる）、完全型ED（毎回、十分に勃起しない。また、維持もできない）に悩む成人男性の合計は推定２,８１１万人です。ちなみに、中等度型ED・完全型EDに悩む男性の割合は、２０代１４.６４％、３０代１３.５４％、４０代１７.６２％、５０代３３.８４％、６０代４１.６２％、７０代６０.３３％となっています。２０代、３０代とも約７人に１人が中等度型EDまたは完全型EDに悩んでいることになります。EDは、若年層にとっても非常に身近な問題です

彼氏や夫がEDだったとしても、特別な問題として悩む必要はないかもしれません。幸いなことに、EDは解決できる可能性がある問題です。２人で協力して解決策を探していくとよいでしょう。

下記では年齢別に代表的なEDの原因を解説しています。
まずは正しい知識を身に着けてパートナーの状態をしっかりと把握しましょう。

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「パートナーがEDかもしれない」と感じている方の中には、現在の状態を何かしらの基準でチェックしたいと考えている方がいるでしょう。彼女目線でチェックしたい場合は、ペニスの硬さと勃起の持続力を参考にするとよいかもしれません。

硬さを評価するツールとして活用されているのが、アメリカで開発された「勃起の硬さ指標（EHS）」です。2009年には日本語版も開発されました。特徴は、グレード1～グレード4で硬さを評価することです。グレード2以下はEDが疑われます。具体的な内容は次の通りです。

引用：VIATRIS（ED-info.net）「勃起の硬さ指標　EHSとは」
https://www.ed-info.net/ja-JP/check/ehs

以上の目安では具体的な硬さがわからないと感じている方がいるはずです。グレード1～グレード4は食品に例えられています。イメージをつかめない方は、こちらを参考にするとよいでしょう。

ただし、簡易チェック用のツールであるため、これだけでEDと診断することはできません。また、グレード3・グレード4であっても、途中で萎えてしまう場合や勃起しない日がある場合などはEDの恐れがあります。

ペニスの硬さに加えてチェックしたいのが勃起の持続力です。持続力は以下の点などで評価します。

【持続力のチェックポイント】

• 勃起はするものの挿入まで維持できない
• 挿入できるものの射精まで維持できない
• 萎えてしまうと再び勃起することは難しい

持続力不足で満足に性行為を行えない場合もEDが疑われます。勃起の有無だけでEDを判断できるわけではありません。毎回のようにペニスが硬くならない、勃起を維持できないなどの場合は注意が必要です。

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彼氏や夫がEDで、別れたいと考える方もいるでしょう。女性の気持ちがわかる調査として、国際協力NGOジョイセフが発表した「性と恋愛2021－日本の若者のSRHR意識調査―」があげられます。同調査によると、15～29歳女性における「セックスって、どんなイメージ？」の上位回答（複数回答可）は次の通りです。[1]

【回答】

• スキンシップ（57.6％）
• 愛が深まる（54.4％）
• 愛を確かめ合える（50.4％）

一般社団法人日本家族計画協会が、20～69歳の男女を対象に実施した「ジャパン・セックスサーベイ2020」でもよく似た結果がえられています。設問「セックスの目的」における上位回答は次の通りです。[2]

【回答】

• 愛情を表現するため（56.1％）
• ふれあい（コミュニケーション）のため（45.1％）
• 相手に求められるから（27.8％）

愛情を確かめ合えないため、別れたいと考える女性が多いのでしょう。また、性行為を行えないことで自尊心が傷つく女性も少なくありません。浜松町第一クリニックが、ED もしくはその可能性がある＆過去にそういった男性と交際した経験のある20～49歳までの女性500名を対象に実施した調査によると、43.2％が「自分自身の自信を無くしたことがある」と回答しています。14.4％が「別れたいと思ったことがある」と回答している点も見逃せません。[3]EDは女性にとっても深刻な問題と考えられます。

別れたいと考えることは理解できますが、決断は先送りするほうがよいかもしれません。EDは克服できる可能性がある問題だからです。彼氏や夫がEDではなかったと仮定したときに、一緒に居続けたいと思う場合はあと少しだけ様子を見てみてはいかがでしょうか。二人で寄り添いつつ、問題に立ち向かうと解決できることがあります。別れを決断するのは、できることをやってからでも遅くないはずです。

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EDは、パートナーの協力をえられると解決できる可能性が高まります。パートナーはどのように向き合えばよいのでしょうか。

彼氏や夫と愛情を確かめ合えないと不安が募ってしまいます。我慢が限界に達すると「いい加減にしてよ」など、強い言葉をぶつけて性行為を強要したくなることもあるはずです。彼女の気持ちを考えると仕方がないことといえそうですが、強い言葉をぶつけることや性行為を強要することはおすすめできません。男性あるいは勃起は、非常にデリケートだからです。

勃起と射精は自律神経が支配しています。自律神経は自分の意思とは無関係に働く神経です。活動している時間帯に優位になる交感神経と休息している時間帯に優位になる副交感神経で構成されます。勃起を支配しているのは副交感神経、射精を支配しているのは交感神経です。したがって、リラックスした状態でないとうまく勃起できません。ストレスやプレッシャーがかかって、焦れば焦るほど勃起しにくくなります。

思うように勃起せず満足な性行為を行えない男性は、深く傷ついていることが少なくありません。当然ながら、彼女にも申し訳ないと感じている方が多いでしょう。このような状態のときに、強い言葉をかけられたり性行為を強要されたりすると、さらに深く傷ついて勃起しにくくなってしまいます。彼女も辛いですが、焦らずに寄り添うことが大切です。

彼氏や夫がEDになると、浮気を疑う女性が多いようです。特に、これまで問題なく性行為を行えていたカップルはこの傾向が強いでしょう。「ほかの女性と性行為をしているから勃起しなくなった」「ほかの女性と性行為をしているから私とする必要がなくなった」などと考えたくなる気持ちは理解できます。

ただし、これらの考えを彼氏や夫にぶつけることはおすすめできません。浮気が原因でEDになるとは限らないからです。性欲が旺盛な男性であれば、他の女性と関係をもっていても問題なく勃起します。浮気以外の原因も検討するべきといえるでしょう。詳しくは後述しますが、EDの原因はさまざまです。心理的な要因で起こることもあれば、身体的な要因で起こることもあります。これらが密接に関係していることも少なくありません。例えば、仕事のストレスで勃起しなかった経験が予期不安（次も勃起しなかったらどうしようなどの不安）を生み出しEDになることもあります。

EDの男性に浮気の疑いをかけて問い詰めると深く傷つけてしまいます。勃起できなくなったことをパートナーに説明しなければならないからです。自分自身のことを情けなく感じる男性が多いでしょう。と同時に、彼女を追い込んでいることに罪悪感を抱くはずです。彼氏や夫を傷つけないため、そっと見守ることが大切かもしれません。

EDを解決するため理解しておきたいのがその原因です。勃起は、性的刺激を受けることで陰茎海綿体へ流れ込んだ大量の血液を留めることで成立します。何らかの原因で十分な血液が流れ込まない、流れ込んだ血液を留められないことがEDの原因です。EDは、以上の状態を引き起こす原因で大きく以下の４種類に分類されます。

２０代、３０代に多いのは心因性EDです。具体的には、仕事上のストレスや緊張、家庭生活におけるストレスが原因になることが少なくありません。あるいは、経験が少ないことによる性行為への不安、過去に失敗した経験が引き起こす不安などもEDの原因になりえます。例えば「彼女にセックスが下手だと思われたらどうしよう」「今回も勃起しなかったら嫌われるかもしれない」などの不安が、身体が健康な２０代、３０代においてEDを引き起こすことがあるのです。男性にとってEDは、非常にデリケートな問題といえます。

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彼氏・夫の生活習慣が乱れている場合は、その改善に取り組みましょう。心身に大きなストレスがかかっていると、勃起に影響する恐れがあるからです。例えば、仕事で心身ともに疲れ切っていると勃起しにくくなります。あるいは、食生活が乱れていると、将来的に動脈硬化などを起こすかもしれません。まずは、規則正しい生活を取り戻すことが重要です。

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彼氏や夫がEDになると「自分に原因があるのでは？」と考える女性が多いようです。前述の通り、EDにはさまざまな原因があります。したがって「ED=女性が原因」とは言い切れません。中には、男性の態度や言動から、自分に原因があると感じている方もいるでしょう。EDに悩んでいる男性は、自分に対する情けなさや行き場のない怒りから女性にあたることがあります。何かをいわれても、彼氏も困っている程度に受け止めておけばよいでしょう。

同様に、男性を責めることもおすすめできません。プレッシャーをかけると、焦りなどからますます勃起しにくくなるからです。例えば「男性として情けない」などの言葉をかけると、この経験が心の傷となり全く勃起しなくなることも考えられます。悩みを共有しつつ、一緒に解決する姿勢を示すことが重要です。

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２０代、３０代のEDは精神的な問題で引き起こされているケースが多いといえます。したがって、気分を一新すると解決できる可能性があります。具体的には、２人でセックスを楽しむこと。たとえばいろんな体位を試してみるとか、ローションやアダルトグッズを試してみるとよいでしょう。環境を変える、アダルトグッズを使用してみるなど、これまでと異なる取り組みを行うことで問題が解決するかもしれません。ポイントは、セックスを一緒に楽しむことです。勃起や挿入が目的になってしまうと、彼氏や夫にプレッシャーをかけてしまう恐れがあります。一緒に楽しみながら信頼関係を構築しましょう。
パートナー間のセックスの問題は下記の記事に詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

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EDをセルフケアで改善したい方向けに、支持されているのがツボやマッサージです。
こちら記事では、EDに用いられているツボ、マッサージを紹介しています。セルフケアの参考にしてみてください。

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セルフケアだけで対処が難しい場合は、クリニックの受診を勧めてみてはいかがでしょうか。ただし、無理強いはおすすめできません。男性にとってはデリケートな問題だからです。強く勧めすぎると、喧嘩になってしまう恐れがあります。

受診を勧めたい場合は、それとなく話を展開して反応を確かめることが大切です。クリニックの受診をテーマに会話を始めると相手を構えさせてしまいます。何気ない会話の中で関連する話題になったときに、EDの話しや受診の話を切り出すとよいでしょう。うまく話を切り出せなくても焦る必要はありません。

彼氏や夫が興味を示す場合は、一緒に情報を調べつつ不安を解消していくことが重要です。男性は受診にあたり次の不安などを抱いています。

【不安の例】

• 女性スタッフの存在
• 触診の有無

女性スタッフの有無はクリニックで異なりますが、男性スタッフだけで診察を行っているところや一定の配慮を行っているところが多いといえます。また、触診は基本的に行われません。受診を迷う場合は、一緒に解決したいなどの思いを伝えると後押しできます。2人で乗り越えるべき問題と位置付けられると関係性が深まるでしょう。

もちろん、彼氏や夫に専門薬局に相談することを勧めてみることもおすすめです。薬局などは、様々なED薬を取り扱っています。彼氏が性行為に不安を抱えている場合、医薬品などのサポートを受けつつ成功体験を何度か重ねるとEDが改善することがあります。もちろん、精神的な問題以外でEDが引き起こされている場合も相談できます。薬局を勧める場合は、無理強いをしないようにしましょう。強く促すとプライドを傷つけて反発を招いてしまう恐れがあります。２人の問題を解決するため、一緒に向き合ってほしいなどの姿勢を示すことがポイントです。

彼氏や夫とEDについて話すタイミングには注意が必要です。タイミングを誤ると、相手を怒らせてしまうことや傷つけてしまうことがあります。狙うべきタイミングは、彼氏や夫に時間と心の余裕があるときです。心身に余裕がないと、建設的な話し合いは行えません。

時間と心に余裕があっても、人前で話すことは控えましょう。多くの場合、男性は誰にも知られなくない問題と考えているからです。例えば、レストランで食事を終えてから話そうなどと考えるかもしれませんが、このような環境だと男性は落ち着いて過ごせません。プライバシーに配慮する必要があります。

誰にも知られない環境として、性行為中あるいは性行為後があげられます。確かに、誰にも知られる心配はありませんが、EDについての話し合いには向いていません。このタイミングで話を切り出すと、勃起しなかったことを気にしている、あるいは責めているように感じさせてしまう恐れがあるからです。テレビを観ているときや自宅で食事を食べているときなど、何気ない日常の中で話し合ってみてはいかがでしょうか。

クリニックを受診すればED治療薬を処方してもらえる可能性があります。国内で使用されている主なED治療薬は次の通りです。

【種類】

• バイアグラ
• レビトラ
• シアリス

いずれもPDE5阻害薬という分類になります。PDE5は、血管の拡張にかかわる物質を分解する酵素です。つまり、PDE5阻害薬は、この酵素の働きを阻害して血管の拡張をサポートする薬ということができます。ただし、種類により特徴は異なります。それぞれの特徴は次の通りです。

ヴィアトリス製薬が扱っているED治療薬です。シルデナフィルという有効成分を含みます。服用後、30～60分で効果が現れます。効果が持続する時間は4～5時間です。持続時間は3種類の中で最も短くなっています。食事の影響を受けやすい点もポイントです。食後の服用は効果が低下するため、空腹時の服用が勧められます。

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バイエル薬品が扱っていたED治療薬です。バルデナフィルという有効成分を含みます。安定供給が難しくなったため、現在は販売中止になっています。薬剤に問題が生じたわけではありません。服用後、効果が現れるまでにかかる時間は30分程度です。効果は、5～9時間程度持続すると考えられています。即効性の高さが魅力です。食事の影響は受けにくいと考えられています。

日本新薬が扱っているED治療薬です。タダラフィルという有効成分を含みます。服用後、効果が現れるまでにかかる時間は1時間程度です。効果は20～36時間程度持続します。持続時間の長さが特徴といえるでしょう。また、3種類の中で、食事の影響を最も受けにくい点もポイントです。使い勝手のよいED治療薬と考えられます。

彼氏や夫がEDになったときに、パートナーができることを解説しました。EDは、年齢に関わらず誰にでも起きる問題です。特別視せず一緒に向き合うことが解決の一歩といえるでしょう。具体的なサポートとしては、生活習慣の改善や性行為に変化を加えるなどが考えられます。ただし、これらに劇的な効果を期待することは難しいかもしれません。変化が見られない場合は、専門薬局で相談するとよいでしょう。
あかひげ薬局は、３３年以上の歴史をもつ精力剤関連に特化した薬局です。３００万人以上の購入実績があるため、EDにお悩みの男性でも安心してご相談いただけます。２人が納得できる方法を、あかひげ薬局に相談してみてはいかがでしょうか。

[1] 出典：国際協力NGOジョイセフ「性と恋愛2021－日本の若者のSRHR意識調査―」
https://www.joicfp.or.jp/jpn/column/ilady-survey-2021-02/
[2] 出典：一般社団法人日本家族計画協会「ジャパン・セックスサーベイ2020」
https://www.jfpa.or.jp/pdf/sexservey2020/report.pdf
[3]出典：(pdf)浜松町第一クリニック「ED 彼氏や夫を持つ女性 500 人を対象とした「ED に関する調査」結果ご報告」
https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102588/201407031978/_prw_OR1fl_Cb55tLUu.pdf