早漏の改善にはお酒が有効？両者の関係と飲酒時の注意点

早漏は、本人やパートナーの意に反してすぐに射精してしまうことに悩んでいる状態です。目安としては、毎回のように、膣へ挿入する前または膣へ挿入後1分以内に射精してしまう状態といえるでしょう（ただし、時間だけで判断するわけではありません）。早漏は、原因により以下の3種類に分かれます。

【種類】

• 心因性早漏
• 過敏性早漏
• 衰弱性早漏

それぞれの概要について解説します。

心理的・精神的な要因で、射精をコントロールできない状態です。心理的・精神的な要因が影響する理由は、勃起と射精に自律神経が関わっているからといえるでしょう。自律神経は、主に活動時に働く交感神経と主に休息時に働く副交感神経に分かれます。勃起をコントロールしているのは副交感神経、射精をコントロールしているのは交感神経です。つまり、射精は、性的な興奮がピークに達したときに、副交感神経優位から交感神経優位に切り替り起こります。このタイミングが早いと早漏になってしまいます。

自律神経は、心理状態や精神状態から大きな影響を受けます。何かしらの理由で緊張していたり不安を抱えていたりすると、副交感神経と交感神経の切り替えをうまく行えません。結果として、射精のタイミングをコントロールできなくなってしまうのです。

心因性早漏でよくみられる原因として、セックスの経験が乏しいことによる不安や緊張、職場や家庭でのストレスがあげられます。また、意図しないタイミングで射精してしまった経験が予期不安を引き起こし悪循環に陥ることもあります。原因がわかっても、簡単には解決できない問題といえるかもしれません。

本来であれば射精に至らないようなわずかな刺激が加わっただけで射精してしまう状態です。通常は性的刺激が脳に伝わってから射精しますが、過敏性早漏では脳に性的刺激が伝わる前に脊髄の射精中枢が反応して射精してしまいます。性欲が旺盛で健康な10代・20代、激しい運動をしているアスリートなどに多いと考えられています。

主な原因は、ペニスとその周辺が敏感すぎることです。敏感すぎる原因のひとつとして包茎があげられます。包茎は次の3種類に分かれます。

種類を問わず、包皮に亀頭が覆われているため、敏感になりやすい傾向があります。仮性包茎は包皮を簡単にめくれるため、3種類の中で最も刺激にさらされやすいといえるでしょう。女性から軽く愛撫されただけで射精してしまうことも考えられます。

下記では包茎と早漏の関連性について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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誤ったオナニー方法も、原因のひとつと考えられています。関連性が高いとされているのが「時短オナニー」です。時短オナニーは、忙しいから、時間がもったいないからなどの理由で、できるだけ早く射精しようとするオナニーを指します。このようなオナニーを繰り返していると、刺激が加わるとすぐに射精する癖がついてしまう恐れがあります。

射精管閉鎖筋が衰えて射精を我慢できなくなった状態です。射精管閉鎖筋は、射精のコントロールに関わっています。この筋肉が衰えて、快感を堪えられなくなった状態といえるでしょう。また、衰弱性早漏には、勃起に関わる筋肉の衰えも関わっていると考えられています。勃起力が低下する（ペニスが十分に固くならない）と、刺激に対して敏感になってしまうからです。筋力の低下はなぜ引き起こされるのでしょうか。

主な原因は、加齢による男性ホルモンの低下と考えられています。男性ホルモンが低下すると、筋肉量も低下する恐れがあります。したがって、衰弱性早漏は中高年以降に多いトラブルです。また、運動不足が続いている方もリスクは高くなります。

自力で早漏を改善したい場合は、性行為の前に適量のお酒を飲むとよいかもしれません。なぜ、飲酒が勧められるのでしょうか。

少量のお酒には、刺激効果があります。具体的には、リラックスを促したり、不安を軽減したりする効果を期待できます。したがって、事前にお酒を飲んでおくと、性行為に伴う緊張や不安を緩和できる可能性があります。大らかな気持ちで性行為に臨めるため「すぐに射精したらどうしよう」「挿入前に射精したら恥ずかしい」などの考えは浮かびにくくなるでしょう。心理的要因や精神的要因で射精をコントロールできない心因性早漏に有効な対策です。成功体験を重ねれば、お酒を飲まなくても射精をコントロールできるようになることもあります。ただし、飲酒を習慣にすることはおすすめできません。お酒がないと不安になってしまう恐れがあるからです。

お酒を飲むと感覚が鈍麻して刺激を感じにくくなります。例えば、ペニスを刺激されても反応しにくくなるなどが考えられるでしょう。したがって、わずかな刺激が加わっただけで射精してしまう過敏性早漏の改善に役立つ可能性があります。感じにくくなれば、刺激をやり過ごせるようになるからです。包茎で亀頭を刺激されるとすぐに射精してしまう方などは、性行為の前に少量のお酒を飲んでおくとよいかもしれません。

以上の理由により、お酒は早漏の改善に役立つ可能性があります。ただし、飲みすぎには注意が必要です。お酒の効果は、血中アルコール濃度で変化します。お酒を飲みすぎると、刺激効果ではなく鎮静効果（神経の過活動を抑制する効果）が強く現れます。まっすぐ歩けない、呂律が回らないなどの状態になるのはこのためです。脳や神経の機能が低下して、勃起しにくくなる恐れがあります。

早漏の改善にお酒を利用する場合は適量を心がけることが大切です。厚生労働省は、適量の目安を純アルコールで平均20g/日としています。[1]この量は、ビールに換算すると500ml程度、日本酒に換算すると1合程度です。ただし、適量には個人差があります。これ以下であっても、勃起しにくくなったり気分が悪くなったりします。体質などにあわせて、楽しむ程度にとどめておくことが大切です。

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早漏の改善方法には他の選択肢もあります。自身の状態や許容できる負担などを考えて選択するとよいでしょう。その他の改善方法は次の通りです。

包茎の場合、包茎治療を受けることで現状を改善できる可能性があります。ここでいう包茎治療は、余っている包皮を取り除く手術です。
亀頭を露出させて刺激に慣らすことで、現状を改善できることがあります。
包茎手術には、さまざまな術式が存在します。代表的な術式といえるのが、亀頭直下埋没法です。
亀頭直下埋没法は、亀頭直下で余っている包皮を環状切除する術式を指します。つまり、亀頭すぐ下で包皮を切開し、余っている部分をぐるりと切除する術式を亀頭直下埋没法というのです。
亀頭直下埋没法のメリットとして以下の点があげられます。

【メリット】

• 縫合部が環状溝に隠れるため目立ちにくい
• 包皮内板を切除するため、ツートンカラーになることを防げる

一方で、以下のデメリットがあります。

【デメリット】

• 医師の技量により仕上がりに差が出る

包茎手術のメリット・デメリットは、術式により異なります。したがって、カウンセリングなどを受けて自身に合っている方法を選択することが重要です。ただし、包茎治療で敏感性早漏が改善する保証はありません。改善するケースもあれば、改善しないケースもあるのです。この点についても、確認してから手術を受けるべきといえるでしょう。

「スタート＆ストップ法」と呼ばれるトレーニングを重ねることでも、敏感性早漏を改善できる可能性があります。スタート＆ストップ法は、オナニーで射精しそうになったら手をとめて休むトレーニングです。具体的な手順を紹介します。

【手順】

1. 勃起した男性器を手で優しく握る
2. 手を上下に移動させて優しくしごく
3. 射精しそうになったら手をとめて我慢する
4. 落ち着いたら再び手を上下に移動させて優しくしごく
5. 2～4を繰り返してから最後に射精する

スタート＆ストップ法に取り組むことで、射精のタイミングをコントロールできるようになります。
ただし、実際の性行為とは刺激が異なるため、本番でうまくコントロールできる保証はありません。
また、必要以上に行うと、遅漏の原因になることもあります。適度に行うことが重要です。

下記では射精のコントロールに有効なスクイーズ法について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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厚手のコンドームを使用することも有効な対策になる可能性があります。
厚手のコンドームを使用することで、亀頭に加わる刺激を抑えられるからです。
コンドームメーカーは、刺激を感じやすくする薄手のコンドームを販売する一方で、刺激を感じにくくする厚手のコンドームも販売しています。
具体的には、厚さ0.1mm台のコンドームを取り扱っています。現在のところ薄手のコンドームの厚みは0.01mmなので、薄手のコンドームとの厚みの差は0.09mm程度になります。
ただし、厚手のコンドームでも、すべての刺激をカットできるわけではありません。
薄手のコンドームよりも刺激は伝わりにくいものの、触れている感覚などは伝わります。
したがって、厚手のコンドームを使用しても敏感性早漏を改善できないケースは考えられます。手軽に取り組めるため、まずは試してみるとよいでしょう。

こちら記事では、早漏を引き起こす原因ついて詳しく紹介した記事になります。あわせてご覧ください。

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ED治療薬の服用も選択肢のひとつです。過去に行われた研究で一部のED治療薬を服用すると挿入時間が延びたという結果が得られています。[2]はっきりとした理由はわかっていませんが、勃起に対する不安が軽減したことや十分に硬くなることで刺激を感じにくくなったことなどが影響していると考えられています。

ED治療薬を服用する場合は飲酒量に注意が必要です。相互作用はない（シルデナフィルの場合）ため併用しても基本的に問題はありませんが、血管を拡張させる働きがあるため普段よりも酔いやすくなる恐れがあります。また、過度な飲酒により期待した効果を得られないことも考えられます。不安や緊張を和らげたい場合も、適量の飲酒にとどめましょう。

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わずかな刺激が加わるだけで射精してしまう敏感性早漏について解説しました。パートナーを満足させられないため、男性にとっても女性にとっても問題になる恐れがある状態です。一般的には、仮性包茎の方や誤ったオナニーを繰り返している方に多い状態と考えられています。お悩みの方は、スタート＆ストップ法や厚手のコンドームを試してみるとよいかもしれません。さらなる対策をお探しの場合は、精力剤関連専門の薬局として35年以上の歴史があるあかひげ薬局にご相談ください。厚手のコンドームはもちろん、局所麻酔剤を配合した塗布剤（第一類医薬品）などをご紹介いたします。
早漏改善に有効な商品についてはコチラのページをご覧ください。

[1]出典：厚生労働省「アルコール」
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html
[2]出典：IJIR「Effects of vardenafil administration on intravaginal ejaculatory latency time in men with lifelong premature ejaculation」
https://www.nature.com/articles/ijir200921?free=2