タバコがED(勃起不全)の原因と言われている理由
喫煙は、EDの危険因子です。
このことは、2018年発行の「ED診療ガイドライン(編集:日本性機能学会/日本泌尿器科学会)」でも認められています。
EDと喫煙期間・喫煙量の関係が示唆されている点にも注意が必要です。
喫煙期間が長いと、あるいは喫煙量が多いと、EDのリスクは高まる恐れがあります。
喫煙により、EDのリスクはなぜ高まるのでしょうか。
ニコチン・タールなどの有害物質
タバコには、さまざまな化学物質が含まれています。
その数は、5,300種類以上といわれるほどです。
タバコに含まれる化学物質の中には、人体に悪影響を及ぼす有害物質も含まれています。
つまり、喫煙はこれらの有害物質を体内へ取り込む行為なのです。タバコに含まれる3大有害物質といわれるのが以下の3種類です。
【タバコに含まれる3大有害物質】
3大有害物質 | 働き |
---|---|
ニコチン | 血管を細くして、血流を悪くします。動脈硬化を促進させる点にも注意が必要です。 強い依存性があるため、禁煙を妨げる原因になります。 |
一酸化炭素 | 血液が酸素を運ぶ働きを邪魔します。息切れや運動能力の低下を招くほか、動脈硬化も引き起こします。 |
タール | いわゆる「ヤニ」です。数十種類以上の発がん性物質を含みます。がんのリスクを高めるとともに、 肺の機能も低下させます。混合していて、いずれにも分類できないもの |
タバコを吸うと、これらの有害物質などの影響を受けることになります。だから、EDのリスクが高まるのです。
喫煙で血流が悪くなる
ニコチンには血管を収縮させる働きがあるため、タバコを吸うと血液の流れは悪くなります。
勃起は、ペニスに大量の血液が流れ込むことと流れ込んだ血液が留められることで起こります。
したがって、ニコチンの作用で血管が収縮し血液の流れが悪くなると、勃起しにくくなる恐れがあります。
性生活に与える影響は決して小さくありません。毎日の飲酒量にも十分な注意が必要です。
動脈硬化を促進
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質には、動脈硬化を促進する働きもあります。
動脈硬化は、何らかの原因で血管が硬くなった状態です。
動脈硬化になると、血管が拡張しにくくなるほか、血液の流れも悪くなります。したがって、EDが起こりやすくなります。
喫煙により引き起こされた血管の問題でEDになる恐れもあるのです。
交感神経の刺激
ニコチンは、交感神経と副交感神経に作用します。
作用する自律神経は、喫煙者の体調などで異なります。
交感神経に作用すると心拍数の増加、血圧の上昇、血管の収縮、副交感神経に作用すると心拍数の減少、血圧の低下、血管の拡張などの影響が現れます。
ここで改めて理解しておきたいのが勃起のメカニズムです。
勃起は、性中枢の興奮が脊髄・副交感神経を通ってペニスに伝わり起こります。
具体的には、興奮が伝わることで一酸化窒素などが放出され、陰茎動脈が弛緩し血液が流れ込み起こるのです。
以上からわかる通り、勃起は副交感神経が優位な状態で起こります。
何らかの理由で交感神経が優位になると、血管が収縮することで性的刺激を受けても勃起しないことがあります。
ニコチンの作用で、勃起しにくくなることも考えられます。
メンソールタバコとEDの関係
タバコの種類によっても、EDのリスクは異なるのでしょうか。
一部でメンソールタバコを吸うとEDになりやすいと考えている方がいるようです。
現在のところ、メンソールタバコがEDを引き起こしやすいなどは医学的に証明されていません。
メンソールタバコに限らず、タバコに共通した問題です。
メンソールタバコではなくタバコを控えることが重要といえるでしょう。
喫煙はEDの危険因子です
喫煙とEDの関係を解説しました。
タバコは勃起に悪影響を及ぼします。
心配な方は、できるだけ控えましょう。以前よりも勃起しにくくなったなどと感じている方は、精力剤などを試すこともできます。
精力剤に特化した薬局として35年以上の歴史がある男女精力剤専門店のあかひげ薬局までご相談ください。
内原 茂樹 / Uchihara Shigeki
株式会社ワン・ツー創業者
あかひげ薬局創業者
<略歴>
芳香園製薬に入社し、各地支店長を歴任したのちに、独立。
1987年に愛知県名古屋市に精力剤専門店あかひげ薬局を創設。
数多くのTV・ラジオ番組に出演
「おとなの子守唄」「艶々ナイト」「今夜もハッスル」などに出演。
<主な著書>
「中高年のための気持ちいいセックス」(1997年10月、現代書林)
「誰にも聞けなかった精力剤完全ガイド」(2001年3月、現代書林)
<メディア>
・艶々ナイト(テレビ埼玉)
・今夜もハッスル(サンテレビ) 等