ED(勃起不全)の改善として筋トレが良い理由
一般的に、筋トレはEDの予防や改善に役立つと考えられています。なぜ、このように考えられているのでしょうか。
運動不足・肥満の予防になる
筋トレは、運動不足の解消に役立ちます。と同時に、肥満の予防にもつながります。運動不足と肥満は、EDのリスクファクター(危険因子)です。具体的には、運動強度の増加とともにEDのリスクは低下する、BMIの増加とともにEDのリスクは増加すると考えられています。つまり、運動をしていない人や太っている人は、EDになりやすいと考えられているのです。運動不足の解消と肥満の予防につながる筋トレは、EDに良い影響を与えるといえるでしょう。ただし、1度だけの筋トレで良い影響を与えられるわけではありません。基本的には、筋トレを継続する必要があります。
勃起に関わる筋肉を鍛えられる
勃起に関わる筋肉をピンポイントで鍛えられる点も筋トレの魅力といえるでしょう。勃起に関わる筋肉が衰えると、EDのリスクは高まる恐れがあります。反対に、勃起に関わる筋肉を鍛えると、EDは改善する可能性があります。いずれも過去の研究で示唆されている点がポイントです。勃起に関わる代表的な筋肉として骨盤底筋群があげられます。EDが心配な方は、骨盤底筋群を鍛えるとよいでしょう。
勃起力のスケール
EDは、性行為を行うために必要な勃起を得られない状態、または勃起を維持できない状態です。したがって、まったく勃起しない状態はもちろん、勃起はするものの硬くはならない状態、勃起はするものの萎えてしまう状態などを含みます。幅広い状態を含むため、現在の状態を正確に評価することが重要です。現在の状態は、「勃起の硬さスケール」をもとに自分で評価できます。
勃起の硬さスケール
アメリカで開発された簡易診断スケールを日本語に訳したものが「勃起の硬さスケール」です。勃起力を次の5段階で評価します。
グレード0 | 陰茎は大きくならない |
グレード1 | 陰茎は大きくなるが硬くはない |
グレード2 | 陰茎は硬いが挿入に十分なほどではない |
グレード3 | 陰茎は挿入には十分硬いが完全には硬くない |
グレード4 | 陰茎は完全に硬く硬直している |
引用:一般社団法人日本性機能学会「勃起の硬さスケール(日本語版EHS)」
https://www.jssm.info/guideline/files/EHS.pdf
グレード0はEDの可能性が非常に高い、グレード1、グレード2はEDの可能性が高いと考えられます。いずれにせよ、目安であるため正確な診断はできません。
硬さの目安
硬さの目安がわかりにくいと感じる方もいるでしょう。硬さの目安は、食べ物を参考にできます。グレード1に相当するのが「こんにゃく」、グレード2に相当するのが「みかん」、グレード3に相当するのが「グレープフルーツ」、グレード4に相当するのが「リンゴ」です(監修:東邦大学 名誉教授 石井延久)。「こんにゃく」や「みかん」程度の硬さにしかならない方は、EDに注意が必要かもしれません。
勃起力にかかわる筋肉
勃起と関わりが深い筋肉として以下の3つがあげられます。
- 肛門周辺の筋肉
- 太もも周辺の筋肉
- お尻周辺の筋肉
具体的にどのような関わりがあるのでしょうか。
勃起力に特にかかわりのある筋肉(球海綿体筋・恥骨尾骨筋)
肛門周辺の筋肉は、骨盤底筋群と言い換えてもよいでしょう。骨盤底筋群は、名称の通り骨盤の底についている複数の筋肉です。勃起と関わりが特に深い筋肉として、球海面体筋と恥骨尾骨筋があげられます。
BC筋 球海綿体筋
男性器と肛門の間に位置する筋肉です。股の間を触ると確認できる盛り上がりが球海綿体筋といえるでしょう。勃起しているときに触ると確認しやすいはずです。この筋肉は、尿道海綿体を取り巻くようについています。主な役割は、勃起を支えることと尿道から精液を押し出すことです。したがって、球海綿体筋が衰えると、勃起力が低下するほか、適切に射精できないなどの恐れがあります。男性の性機能にとって、非常に重要な筋肉です。
PC筋 恥骨尾骨筋
骨盤底筋群に含まれる肛門挙筋を構成する筋肉のひとつです。肛門の両側を通るように恥骨から尾骨にかけてついています。主な役割は、男性器に集まった血液をとどめておくことです。したがって、恥骨尾骨筋が衰えると、勃起できる時間が短くなる恐れがあります。恥骨尾骨筋は、基本的に弱い筋肉と考えられています。椅子に長時間座るなどで圧迫が続くと、ダメージを受ける可能性があります。積極的に鍛えたい筋肉のひとつといえるでしょう。
太ももの筋肉(大腿四頭筋・大腿二頭筋)
太もも周辺の筋肉としてあげられるのが大腿四頭筋と大腿二頭筋です。それぞれ、どのような筋肉なのでしょうか。
大腿四頭筋は、大腿骨を挟むように太ももの前面についている大きな筋肉です。大腿直筋・内側広筋・中間広筋・外側広筋で構成されます。主な役割は、膝を伸ばす、腿を上げることです。また、下半身の血液を上半身へ送り出す働きも担っています。血流を維持するため重要な筋肉といえるでしょう。
大腿二頭筋は、太ももの裏面についている筋肉です。ちなみに、大腿二頭筋に半腱様筋・半膜様筋を加えた3つの筋肉をハムストリングといいます。大腿二頭筋の主な役割は膝を曲げることです。また、大腿四頭筋と同じく下半身の血液を上半身へ送り出す働きも担っています。
勃起力UPにおすすめのトレーニング
ここからは、勃起力が気になる方におすすめのトレーニングを紹介します。
肛門しめ
肛門しめは、肛門を締めるだけのトレーニングです。単純ですが、球海綿体筋や恥骨尾骨筋などで構成される骨盤底筋群を効率よく鍛えられます。勃起力が気になるときに取り組みたい筋トレといえるでしょう。基本的なやり方は次の通りです。
- 椅子に座った状態で肛門を締める
- 1の状態を10秒程度維持する
- 1~2の動作を5回繰り返す
1日3セット程度を目安に行います。立った状態や寝ころんだ状態で行っても構いません。力を入れたときに男性器が少しだけ動けば、骨盤底筋群を刺激できています。
スクワット
スクワットも勃起力が気になるときに取り組みたい筋トレです。太もも周辺の筋肉だけでなく骨盤底筋群も鍛えられます。基本的なやり方は次の通りです。
- 肩幅よりもやや広く足を開く
- つま先を外側(約45度程度)に開く
- 太ももが床と平行になるように腰を落とす
- 元の姿勢に戻る
- 3と4の動作を10回程度繰り返す
膝を開いた状態で上下運動を繰り返すことが重要です。太ももなどに大きな負担がかかるため、運動に慣れていない方は無理をしないようにしましょう。
筋トレと合わせて取りたいED予防の精力アップ食品
筋トレはただやれば良いというものではなく、筋力の元となるたんぱく質などの栄養素を摂ることが不可欠です。
また、精力アップ効果が期待できる食品と栄養素もあり、バランス良く摂取すればED予防の効果が期待できるかもしれません。
下記では精力アップの食品と栄養素についてまとめていますので合わせてご覧ください。
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精力アップに役立てたい食べ物と積極的に摂りたい栄養素
ED(勃起不全)の年齢層別原因と基本の対処法
EDの原因は多岐に渡るため、「筋トレをしていれば大丈夫」と思い込むのは、かえってEDの兆候が現れた時にショックになってしまうかもしれません。筋トレはあくまで予防の一環と考え、心身ともに健康であるよう励むことが重要だといえるでしょう。
下記では様々なEDの要因と対処法についてまとめていますので、合わせてご活用ください。
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ED(勃起不全)にお悩みなら赤ひげ薬局で相談を
EDと筋トレの関係について解説しました。筋トレは、勃起力の維持や回復に役立つ可能性がある取り組みです。ただし、効果を実感するまである程度の時間がかかります。即効性のある対処法をお探しの方は精力剤などを試してみてはいかがでしょうか。性行為に自信をもって臨みやすくなります。最適な商品を見つけたい方は、精力剤関連に特化した薬局として33年以上の歴史がある「あかひげ薬局」までご相談ください。
内原 茂樹 / Uchihara Shigeki
株式会社ワン・ツー創業者
あかひげ薬局創業者
<略歴>
芳香園製薬に入社し、各地支店長を歴任したのちに、独立。
1987年に愛知県名古屋市に精力剤専門店あかひげ薬局を創設。
数多くのTV・ラジオ番組に出演
「おとなの子守唄」「艶々ナイト」「今夜もハッスル」などに出演。
<主な著書>
「中高年のための気持ちいいセックス」(1997年10月、現代書林)
「誰にも聞けなかった精力剤完全ガイド」(2001年3月、現代書林)
<メディア>
・艶々ナイト(テレビ埼玉)
・今夜もハッスル(サンテレビ) 等