精子の作られ方
年齢との関係を理解する前に押さえておきたいのが「精子がどのように作られるか」です。いうまでもなく精子は、陰嚢に収まっている精巣で作られます。具体的には、精細管に存在する精祖細胞が精母細胞・精子細胞を辿り精子へと変化します。ただし、この時点で運動能は備えていません。運動能を獲得するのは、貯蔵庫にあたる精巣上体へ送られてからです。
成熟した精子は、精巣上体で射精を待つことになります。この間も新しい精子は作られ続け、古くなった精子は死んでいきます。死んだ精子から活性酸素が発生するため、長期間の禁欲よりも定期的に射精するほうがよいと考えられています。
ちなみに、精祖細胞から受精能力がある精子が誕生するまでかかる期間は約70日程度です。
精子の老化による精子量と運動量
これまでに行われた研究から、精子も卵子と同じく加齢の影響を受けると考えられています。主な影響のひとつといえるのが精子の数です。加齢とともに、精子の数は減少することがわかっています。ただし、年齢を重ねても精液濃度は基本的に大きく変わりません。精子の数とともに精液の量も減ってしまうからです。同様に、精子の運動率も加齢とともに低下してしまいます。若いころと同じように射精できていても、精子の質は悪くなっている恐れがあります。
生まれてくる子供への影響
以上の通り、精子も加齢とともに老化します。精子の老化は、生まれてくる子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。
子どもの健康を考えるうえで注意したいのがDNAの損傷です。DNAはさまざまな原因で損傷しますが、加齢もそのひとつと考えられています。精子のDNAが損傷していると、妊娠率の低下を招く恐れや子どもの病気のリスクが高まる恐れがあります。
ただし、いずれも影響の程度まではわかっていません。過度に意識する必要はありませんが、加齢から影響を受ける恐れがある点は理解しておくほうがよいでしょう。
年齢以外での精子状態に影響する行為
年齢以外にも、精子に悪影響を与える行為はたくさんあります。日常的に以下の行為をしていると、年齢以上に精子が劣化してしまうかもしれません。生殖能力が気になる方は、次の行為に気を付けましょう。
喫煙
最初に注意したいのがタバコです。タバコは、肺や血管だけでなく精子にも悪影響を与えます。具体的には、精子の数・精子の運動率を低下させる恐れがあります。さらに、精子のDNAも傷つけると考えられています。日常的な喫煙習慣は精子の質を低下させる原因になりえます。妊活に取り組む男性は、禁煙に取り組むほうがよいでしょう。自分の力でコントロールできない場合は、禁煙補助薬を活用してみてはいかがでしょうか。
アルコール摂取
お酒の飲みすぎも気を付けたい行為です。ときどき飲む程度であれば精子に大きな影響を与えないと考えられていますが、毎日のように飲んでいると精液の量と正常形態率に悪影響を及ぼす恐れがあります。お酒が好きな方は、飲み方に注意が必要です。1日の飲酒量を減らすとともに、1週間の飲酒日も減らすと精子に与える影響を抑えられるでしょう。厚生労働省が発表している「飲酒のガイドライン」によると、適度な飲酒はアルコール量で20g/日程度とされています[1]。この量は、ビール中瓶1本、日本酒1合に相当します。
▼こちら記事では、お酒を飲みすぎるとに勃たない理由について紹介した記事になります。あわせてご覧ください。
お酒を飲みすぎると勃たない理由と適度と考えられる飲酒量
肥満
意外なところでは、肥満も精子に悪影響を与える恐れがあると考えられています。具体的には、精子の数や精液の量、正常形態率などに影響すると考えられているのです。一方で、肥満を解消して適正体重を維持すると精子の数が増えたとする研究もあります。妊活中の方は、自身の体重を見直すほうがよいかもしれません。
睡眠
精子と睡眠の関係も示唆されています。過去に行われた研究によると、寝すぎても寝られなくても精子の質は低下する恐れがあります。特に睡眠不足の場合、テストステロンの分泌が低下することがわかっています。テストステロンの血中濃度が低下すると、精子の数も減少します。また長時間の睡眠も、精子に悪影響を与えている点がポイントです。規則正しく健康的な睡眠を確保することが重要と考えられます。妊活中の方は、起床時間と就寝時間を定めるなどを心がけてみてはいかがでしょうか。
出典:睡眠と精子の質との関係
https://www.babyandme.jp/wp2020/wp-content/uploads/2018/03/YFP_1705.pdf
男性の生殖年齢は年齢とともに低下します
男性の年齢と生殖能力の関係について解説しました。加齢とともに精子の質は低下するため、男性の生殖能力も低下する恐れがあります。年齢を重ねると、性欲も衰えがちになる点に注意が必要です。この点が気になる方は、精力剤専門の薬局として35年以上の歴史があるあかひげ薬局にご相談ください。お悩みをおうかがいしたうえで、専門家としての対応をさせていただきます。
[1]出典:厚生労働省「飲酒のガイドライン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html
内原 茂樹 / Uchihara Shigeki
株式会社ワン・ツー創業者
あかひげ薬局創業者
<略歴>
芳香園製薬に入社し、各地支店長を歴任したのちに、独立。
1987年に愛知県名古屋市に精力剤専門店あかひげ薬局を創設。
数多くのTV・ラジオ番組に出演
「おとなの子守唄」「艶々ナイト」「今夜もハッスル」などに出演。
<主な著書>
「中高年のための気持ちいいセックス」(1997年10月、現代書林)
「誰にも聞けなかった精力剤完全ガイド」(2001年3月、現代書林)
<メディア>
・艶々ナイト(テレビ埼玉)
・今夜もハッスル(サンテレビ) 等