男性更年期障害で現れやすい症状と自分で取り組める対処法

加齢に伴う男性ホルモンの低下を主な原因として、病気を伴わないさまざまな症状が現れる状態です。正式名称を、加齢男性性腺機能低下症（LOH症候群）といいます。 <

男性ホルモンの分泌量は、20代をピークに徐々に減少します。ただし、その程度や速度には個人差があります。ストレスが影響を与える点もポイントです。過度なストレスがかかると、脳から指令を送れなくなるため男性ホルモンの分泌量は減少します。

以上の原因などで男性ホルモンが低下して、さまざまな症状が現れている状態を男性更年期障害といいます。男性更年期障害は、40代以降の男性であれば誰にでも起こる可能性があります。

女性も加齢に伴う女性ホルモンの低下で、女性更年期障害に悩まされることがあります。男性更年期障害との違いは、女性の場合、女性ホルモンの分泌量が急激に低下することで現れる時期がはっきりしていることです。具体的には、閉経前後の5年間（合計で10年間）を中心にさまざまな症状が現れます。したがって、閉経から5年ほど経過すると症状は落ち着きます。

これに対して男性更年期障害は、現れる時期が決まっていません。40代から症状が現れることもあれば、60代から症状が現れることもあるのです。また、症状がおさまる時期もはっきりと決まっていません。ケースによっては、長期間にわたり悩まされることもあります。

男性更年期障害の症状は多岐にわたります。分類すると身体症状・精神症状・性機能にわけられます。

主な症状として以下のものがあげられます。

1. ・関節症・筋肉痛
2. ・易疲労感
3. ・頻尿
4. ・肥満

男性ホルモンには、エネルギー消費を高めて脂肪の分解を促す働きがあります。したがって、男性ホルモンが低下すると太りやすくなってしまいます。

主な症状として以下のものがあげられます。

1. ・イライラ
2. ・憂鬱
3. ・不眠
4. ・集中力の低下

男性更年期障害の精神症状は、うつ病とよく似ていると考えられています。40代以降の男性でなんとなく気分がすぐれない場合は、うつ病と男性更年期障害を疑う必要があるかもしれません。

主な症状として以下のものがあげられます。

1. ・ED（勃起障害）
2. ・性欲低下

性欲低下は特に現れやすい症状です。EDは性欲低下に次いで現れやすいと考えられています。頻度は低くても、男性のプライドに関わるため深刻な問題に発展しがちです。気を付けたい症状のひとつといえるでしょう。

年齢を重ねてからさまざまな症状に悩まされている方は、次の対策を試してみるとよいかもしれません。

運動は有酸素運動とレジスタンス運動に大別できます。ジョギングなどの有酸素運動には男性ホルモンの分泌を促す働き、腕立て伏せなどのレジスタンス運動には筋肉を増やす働きを期待できます。いずれも男性ホルモンを高く保つ効果的な方法と考えられています。

適量のアルコール摂取は、男性ホルモンの分泌を促すと考えられています。一方で、継続的な大量のアルコール摂取は男性ホルモンの分泌を阻害します。したがって、適量のアルコール摂取を心がけることも対策になりえます。厚生労働省が発表している「飲酒ガイドライン」によると、適量はビール中瓶1本・日本酒1合程度です（アルコール20g程度）[1]。

[1]出典：厚生労働省「飲酒のガイドライン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html

適量のアルコールはすすめられますが、タバコはすすめられません。喫煙はEDの危険因子のひとつと考えられているからです。また、肺がんをはじめとするがんのリスクも高めることがわかっています。

睡眠不足が続くと、男性ホルモンは低下してしまいます。質の高い睡眠の確保も、取り組みたい対策といえるでしょう。睡眠の質は、起床時に朝日を浴びることや日中に身体を動かすことなどで高めやすくなります。

男性更年期障害について詳しく解説しました。加齢とともに男性ホルモンは低下するため、誰でも悩まされる恐れがあります。身体的な不調・精神的な不調・性的な不調を感じている方は注意が必要です。セルフケアを試したい場合は、精力剤専門の薬局として35年以上の歴史がある「あかひげ薬局」にご相談ください。お困りごとをおうかがいしたうえで、専門知識に基づくご提案をさせていただきます。

[1]出典：厚生労働省「飲酒のガイドライン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html