早漏の定義
国際医学会議の定義によると、以下の3点を満たす状態が早漏といえます。
【定義】
- 挿入前あるいは挿入後1分以内に毎回、または毎回のように射精してしまう
- 挿入してから射精のタイミングを全く、またはほとんどコントロールできない
- これらに苦痛を感じていてセックスを楽しめない
早漏は、意に反して早いタイミングで射精してしまうことに苦痛を感じている状態といえるでしょう。ただし、上記の3点だけで完全に定義づけることはできません。本人またはパートナーの主観もかかわってくるからです。持続時間が1分以上であっても、希望より早く射精してしまい、そのことに本人またはパートナーが苦痛を感じていれば早漏と考えられます。定義づけは非常に難しいといえます。
女性の理想の挿入時間
TENGAヘルスケアが449名の女性を対象に実施した調査によると、理想の挿入時間の平均は9.7分です。理想の挿入時間の1位は10分(20.9%)、2位は5分(18.9%)、3位は1分未満(12.9%)となっています。[1]
同様に、浜松第一クリニックが5,200名の男女を対象に実施した調査によると、理想の挿入時間の1位は5~10分未満(24.6%)、2位は10~15分未満、3位は3~5分未満(13.2%)です。[2]
女性の理想の挿入時間は、男性がイメージするよりも短いといえるかもしれません。
射精までの平均挿入時間
では、実際の挿入時間はどれくらいなのでしょうか。TENGAヘルスケアの調査によると、挿入時間の平均は11.2分です。最も割合が高い平均挿入時間は10~14分、次に割合が高い挿入時間は5~9分、その次に割合が高い挿入時間は1~4分となっています。パーセンテージは記載されていませんが、1分未満の割合は非常に低くなっています。[3]
原因別・早漏の分類
早漏は原因により以下の3種類に分類できます。
敏感性早漏
わずかな性的刺激に反応して射精してしまう状態です。脳に性的刺激が伝わる前に反応してしまいます。亀頭が刺激に慣れていない方や長時間の運動をしている方などに多いと考えられています。性的な経験を積むことで改善できるケースもあります。
衰弱性早漏
勃起や射精に関わる筋肉が衰えることで、射精のタイミングが早くなった状態です。主な原因は、加齢・運動不足などです。加齢が原因になる理由は、年齢を重ねると筋肉量の維持に関わる男性ホルモンの分泌量が減るからといえるでしょう。したがって、40代以降に多く見られるタイプと考えられます。40代以降は、勃起力も低下するケースが少なくありません。
心因性早漏
不安や緊張、ストレスなどが原因で射精のタイミングが早くなった状態です。勃起と射精には自律神経が関わっています。勃起を支配しているのが副交感神経、射精を支配しているのが交感神経です。過度な不安や緊張、ストレスにさらされると、交感神経が優位になりやすくなります。この影響で意図しないタイミングで射精してしまうことがあるのです。不安や緊張などの原因として、セックスに関する悩み、仕事のトラブル、家庭内のもめごとなどがあげられます。セックスの問題に限られない点がポイントです。
早漏の問題点
射精のタイミングが早いと、以下の問題を抱えやすくなります。
①セックスの満足度の低下につながる
深刻な問題としてあげられるのが、セックスの満足度が低下してしまうことです。例えば、挿入している時間をゆっくり楽しめない、いろいろな体位にチャレンジできないなどの不満を感じることがあります。ポイントは、男性だけでなく女性の満足度も低下してしまう恐れがあることです。価値観によっては、性の不一致の原因、さらには破局の原因になってしまいます。
②男性としての自信を失う
挿入時間が短いと、男性はパートナーを満足させられないと考える傾向があります。すぐに射精する自分のことを情けないと思う方もいるでしょう。男性としての自信を失う原因になりえます。また「パートナーから軽蔑されるのでは」などの不安を引き起こすこともあります。パートナーが実際にどのように考えているかは別として、男性にとっては深刻な問題です。
③EDを発症する可能性がある
男性が深く傷つくと、セックスを敬遠するようになります。さらに深刻になると、EDに発展してしまうこともあるでしょう。意図しないタイミングで射精することが、大きなストレスになってしまうからです。もちろん、すべてのケースでEDに発展するわけではありませんが、その可能性があることを認識しておかなければなりません。
早漏の改善方法
射精のタイミングは、以下の方法でコントロールできるようになる可能性があります。
①パートナーの協力を得てトレーニングする
パートナーの協力を得られると、本番に近い環境でトレーニングを行えます。2人で取り組める方はスクイーズ法に挑戦するとよいでしょう。手順は次の通りです。
【ステップ1】
- パートナーに手でペニスをしごいてもらう
- 射精感が高まったらパートナーの手でペニスを圧迫して我慢する
- 1と2を繰り返して射精のタイミングをコントロールする
射精のタイミングをコントロールできるようになったら次のステップへ進みます。
【ステップ2】
- ステップ1の方法で射精を2~3回程度我慢する
- 女性上位で挿入して動かずにそのままの状態をキープする
- 射精感が高まったらペニスを抜いて手で絞るように圧迫する
- 射精感がおさまったら女性上位で再び挿入する
- 2~4を繰り返して射精のタイミングをコントロールする
ステップ2でも射精のタイミングをコントロールできるようになったらステップ3へ進みます。
【ステップ3】
- 手順1の方法で射精を2~3回程度我慢する
- 女性上位で挿入してピストン運動をする
- 射精感が高まったらペニスを抜いて手で絞るように圧迫する
- 射精感がおさまったら女性上位で再び挿入する
- 2~4を繰り返して射精のタイミングをコントロールする
ステップ3では男性が腰を動かします。射精のタイミングをコントロールできるようになったら体位を変更してトレーニングを続けます。
②骨盤底筋を鍛える
勃起や射精に関わる骨盤底筋群を鍛えると、射精のタイミングをコントロールしやすくなります。鍛え方は次の通りです。
【手順】
- 椅子に軽く座ってリラックスする
- 呼吸をとめずに肛門を締める
- 2の状態を5秒間キープする
- 1の状態に戻る
- 2~4を10回程度繰り返す
肛門を締めたときに陰茎も一緒に動けば骨盤底筋群を刺激できています。立った状態、あるいは仰向けに寝た状態でトレーニングを行っても構いません。
③早漏治療薬や勃起薬を服用する
医療機関を受診して、セロトニンの分泌を調整する早漏治療薬を処方してもらうこともできます。ED気味の方は勃起薬を服用するとよいかもしれません。十分に勃起していない状態だと亀頭が敏感になってしまうからです。
④厚手のコンドームを使う
性的な刺激に敏感な場合は、厚手のコンドームを使用することもできます。薄手のコンドームの厚さが0.01mmなのに対して、厚手のコンドームの厚さは0.1mm程度です。ペニスに加わる刺激を抑えられます。手軽に試せる点も魅力です。
⑤心理カウンセリングを受ける
心理カウンセリングも有効な対策になりえます。早漏の原因を特定したり、抱えている問題を整理できたりする可能性があります。特に、心因性早漏には有効といえるでしょう。ストレスや不安を感じている場合は、専門家に相談するとよいかもしれません。
早漏のお悩みはあかひげ薬局にご相談ください
ここでは早漏の定義などについて解説しました。基本的には、意図しないタイミングで射精することに悩んでいる状態といえるでしょう。男性としての自信を失う恐れがあるため注意が必要です。自分で対処すると効果が現れるまで時間がかかります。市販薬や男性サプリを試してみたい方は、精力剤専門の薬局として35年以上の歴史があるあかひげ薬局にご相談ください。現在の状況に合わせたご提案をいたします。
[1][3]TENGA HEALTHCARE「セックスの理想の挿入時間は何分か?挿入時間から早漏/遅漏を考える」
https://tengahealthcare.com/column/post-1042/
[2]浜松第一クリニック「性に関する男性と女性の本音実態調査」
https://www.hama1-cl.jp/internet_research/sexual_fact_finding.html
内原 茂樹 / Uchihara Shigeki
株式会社ワン・ツー創業者
あかひげ薬局創業者
<略歴>
芳香園製薬に入社し、各地支店長を歴任したのちに、独立。
1987年に愛知県名古屋市に精力剤専門店あかひげ薬局を創設。
数多くのTV・ラジオ番組に出演
「おとなの子守唄」「艶々ナイト」「今夜もハッスル」などに出演。
<主な著書>
「中高年のための気持ちいいセックス」(1997年10月、現代書林)
「誰にも聞けなかった精力剤完全ガイド」(2001年3月、現代書林)
<メディア>
・艶々ナイト(テレビ埼玉)
・今夜もハッスル(サンテレビ) 等