精液の基準量
精液の基準値は1.4mlです。1回の射精で射出される精液の量が1.4ml以上であれば問題ないと考えてよいでしょう。ちなみに、ティースプーン1杯の容量は5ml程度です。
いうまでもありませんが、精液は精子を含む液体です。精液は、精子と大部分を占める液体成分の精漿で構成されます。精子さえ健康であれば問題はないと思われがちですが、精漿も重要な役割を果たしています。具体的には、精子に栄養を与える、妊娠する力を与えるなどの役割を担っているのです。したがって、精子のみでなく精液についても注目しなければいけません。
1回の射精で射出される精液の量が1.0ml以下のように精液量が少ない場合は、産生障害や逆行性射精が疑われます。逆行性射精は、本来であれば射精時に閉じる内尿道口が何かしらの原因で開いたままになり精液が逆流してしまう状態です。逆行性射精は、男性不妊症の原因になりえます。射精後の尿を検査して診断しますが、射精後の尿が白く濁るなどの症状で気づかれることもあります。精液の量が少ない方も男性不妊には注意しなければいけません。
精子の基準
精子には、さまざまな基準値が設けられています。2021年にWHOが発表した精液検査の主な基準値として挙げられるのが、精子濃度・総精子数・運動率・前進運動率・正常形態率です。これらにより精子の質を評価できます。それぞれの基準値は以下の通りです。
精子濃度の基準値は1,600万/mlです。精子濃度は、1mlあたりの精液に含まれる精子の数を表します。1,600万/mlは下限であるため、これより少ない場合は乏精子症に該当します。乏精子症は男性不妊の原因のひとつです。
1回の射精の精液に含まれる総精子数の基準値は3,900万個(下限)です。総精子数は、精子濃度に精液量を乗じて求められます。精子総数・精子濃度とも、妊娠率ならびに妊娠に要する期間に関係します。
運動率の基準値は42%です。運動率は、活発に動き回る前進運動精子と前進運動以外の運動をする非前進運動精子の割合を表します。基準値を下回る場合は、精子無力症などと診断されます。ちなみに、精子は前進運動精子・非前進運動精子・不動精子にわかれます。
前進運動率の基準値は30%です。前進運動率は、前進運動精子の割合を表します。前進運動率も基準値を下回る場合は、精子無力症と診断されます。
正常形態率の基準値は4%です。正常形態率は、構造・形態が正常な精子の割合を表します。頭部・頸部・中片部・尾部・終部のいずれかに異常がある精子を奇形精子といいます。正常形態率が基準値を下回る場合は、奇形精子症と診断されます。奇形精子は正常な精子よりも受精率が低いと考えられています。一方で、先天異常との関連は指摘されていません。
精子の主な基準値は以上のとおりです。いずれも下限基準値となっています。 ちなみに日本人の平均的な数値は精液量3.1mL、精子濃度1億500万匹/mL、総精子数3億1700万匹/射精、運動率67%、正常形態率9.8%です。
しかし残念ながら、目視で精子濃度・総精子数などを評価することはできません。精子の状態を知りたい場合は、産婦人科などで相談しましょう。
精液・精子の量を増やす方法
精液の基準量や正常な精子として判断される基準は理解できたことでしょう。続いて、健康的で良質な精子を増やす方法を見ていきましょう。
食生活の改善
最初に取り組みたいのが食生活の改善です。積極的に摂取したいと考えられているのがビタミンCやビタミンEを含む食材です。これらのビタミンは、酸化ダメージから精子を守ってくれる可能性があります。ビタミンCは赤ピーマンやブロッコリー、ビタミンEはナッツ類に多く含まれています。同様に、亜鉛を多く含む食品もおすすめです。亜鉛は精液量を増やす働きが示唆されています。亜鉛は牡蠣などに多く含まれています。反対に、トランス脂肪酸を多く含む食品はおすすめできません。トランス脂肪酸は、精子の質を低下させる働きが示唆されています。スナック菓子やケーキなどの食べすぎには注意しましょう。
生活習慣の改善
生活習慣の改善も欠かせません。最初に取り組みたいのが禁煙です。喫煙は、酸化ストレスなどにより精子の質を低下させると考えられています。また、血流を低下させるためEDのリスクも高まります。長風呂やサウナなども精子の質を低下させる恐れがあります。高温下では精子を上手く作れないと考えられているからです。タイトなボクサーパンツの着用も精巣を温めてしまう恐れがあります。他には、長時間座り続けることや長距離のサイクリングも精子の質に悪影響を及ぼすといわれています。また、睡眠不足は男性ホルモンのテストステロンの分泌を低下させます。テストステロンは精子や精液の生成にも深く関わっているため、テストステロンの低下は精子や精液量の産生を低下させます。1日7時間以上の睡眠を推奨します。以上のことより質の良い精子や精液を維持するために生活習慣の見直しに取り組みましょう。
筋トレをする
運動習慣を身につけることも、精子の質を高めると考えられています。過去の研究で筋トレにより、抗酸化物質の上昇ならびに精子の質の改善が示唆されているからです。ただし、抗酸化物質は筋トレをやめるとすぐに低下します。したがって、習慣的に筋トレに取り組むことが重要です。また、有酸素運動も精子の質を高める可能性が示唆されています。中でも効果的と考えられているのが、中程度の強度の有酸素運動です。精子を増やしたい男性は、筋トレや有酸素運動に取り組むとよいかもしれません。
マスターベーションしすぎない
一般的に、禁欲期間は短すぎても長すぎてもよくないと考えられています。禁欲期間が短すぎると必要な精子の量が少なくなる恐れがあります。したがって、マスターベーションをしすぎることはあまりおすすめできません。一方で、禁欲期間が長くなると、古い精子の割合が高くなってしまいます。古い精子は、精子にダメージを与える活性酸素を生み出す恐れがあります。したがって、禁欲期間が長すぎると、精子の質が低下してしまうかもしれません。最良の精子を採取するには禁欲期間を3~5日を取ることが理想的です。妊活中は、定期的に射精をして精子をよい状態に保つ必要があります。
ED治療を受ける
生殖機能の問題は男性不妊の一因となることがあります。そのようなケースでは、バイアグラなどのED治療薬の服用が、妊娠可能な良質な精子を増やす可能性が高いです。これらの薬剤は世界的にも男性不妊の治療に使われており、胎児への悪影響もありません。最近では、ED治療薬を男性不妊の治療に保険適用する制度も始まりました。
ただし、インターネット上で安価に販売されているED治療薬は偽造品の可能性が高く危険です。必ず専門の医療機関で適切な診断と処方を受けるようにしてください。安全性と有効性を確保することで、ED治療薬は良質な精子を増やすのに役立ちます。
サプリメントを摂取する
良質な精子を増やすため、精液の量を増やすためにサプリメントを摂取するのも効果的な手段です。精子の質を高めるには、科学的根拠のある成分を選択するようにしましょう。代表的なものは、還元型コエンザイムQ10、カルニチン、セレニウム、ビタミンB12などが知られています。これらは医療用の高品質な製品を処方することをおすすめします。
一方、マカなどの粗悪品は精子の状態を悪化させる可能性があるため、万が一服用していた場合は、早めの服用中止が必要です。
精力剤を使用する
精力剤には、男性の身体に重要な栄養素や機能性成分が含まれているものが多数存在します。日常の食生活では十分に摂取できない成分を、手軽に補うことが可能です。また、男性ホルモンに直接作用する医薬品タイプの精力剤もあります。より効果的な改善を望む方は、これらの精力剤の活用を検討するといいでしょう。
赤ひげ薬局おすすめの精力剤・サプリメント
ここでは、あかひげ薬局のおすすめの精力剤・サプリメントを紹介します。
まずは、「ボッキン大王」です。「男の自信を取り戻す!」がキャッチフレーズで、主要成分として、エラブウミヘビ、マムシ、マムシ血胆、シトルリン・アルギニン、亜鉛が配合されています。男性機能を高める要素を可能な限り詰め込んだ商品です。精液量だけでなく勃起力向上も期待できます。
続いて、「SEX MONSTER」です。「SEXマシーン!凄い!こんなの初めて!」がキャッチフレーズで、主要成分として、β-アラニン、L-シトルリン、スッポン粉末、高麗人参エキス、ムイラプアマエキス、マカパウダー、トンカットアリエキス、ニンニクエキス、黒ショウガエキス、L-オルニチンが配合されています。
強い勃起力を維持するのに最適な成分が詰め込まれていて、みなぎる男性力で女性を喜ばせ続けます。
どちらも良質な精子、精液量を増やすのに最適な商品です。男性機能に不満がある場合は使用を検討してみましょう。
精液量が極端に少ないときに考えられる病気
精液量が極端に少ないと感じる場合、何らかの疾患を発症している可能性が高いです。ここでは、よく考えられる病気を紹介します。
精子形成障害
精子形成障害は、精子を生成する機能が低下する病気です。その症状としては、精子数の減少や運動性の低下などが挙げられます。この障害は男性不妊の主な原因の1つでもあり、自然妊娠が困難になってしまいます。精子形成障害は以下のようなものが主な原因です。
- 熱
- 毒素
- 薬物(例,タンパク質同化ステロイド)
- 疾患(内分泌性,遺伝性,泌尿生殖器系)
とくに熱による影響は大きく、インフルエンザなどで数日の高熱が続くだけでも、一時的に精子数が減少することが知られています。精巣の機能は、体温よりも2〜3度低い環境で最も活発になるため、精巣を過度に温めないよう注意が必要です。極端に精液量が少ない場合は、泌尿器科の専門医に相談し、検査を受けるようにしましょう。
逆行性射精
逆行性射精は、精液が通常の経路ではなく膀胱に流れ込む状態を指す病気です。この症状により、射精時の精液量が著しく減少することが特徴です。主な原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 糖尿病
- 脊髄損傷
- 薬の副作用
- 前立腺肥大症の手術
もし「急に精液量が減少した」「オルガズムは感じたものの精液が全く出ない」といった症状が現れた場合は、泌尿器科を受診することをおすすめします。自己判断ではなく専門医の診断と適切な治療を受けることが大切です。
射精障害とは
「勃起はするけど射精は上手くできない」といったお悩みは射精障害が原因かもしれません。
精液の量や質に関係ない障害の可能性もあるため、射精障害の可能性も考えた方が良いでしょう。
下記の記事では射精障害について詳しく解説しています。
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射精障害の種類とそれぞれの原因について解説
妊活中にEDになる原因
妊活中にEDになる原因は、子作りそのものであることが少なくありません。
以前のように勃起しないと感じている方は、子作りの進め方を見直すとよいでしょう。
こちらの記事では、妊活中にEDになる主な原因とEDになったときにできる対策を紹介しています。
妊活中にEDになってお困りの方は参考にしてください。
>>>関連記事
妊活中にEDになる原因とこれからできる3つの対策
男性不妊の現状
男性不妊の主な原因は、造精機能障害、性機能障害、精路通過障害です。造精機能障害は最も主要な原因で、全体の82.4%を占めています。その中でも、原因不明が42.1%、精索静脈瘤が30.2%、染色体・遺伝子異常が10.1%となっています。精索静脈瘤は、精巣静脈の逆流により陰嚢付近に静脈瘤ができ、精巣周囲の温度上昇により造精機能が阻害される代表的な要因です。一般男性の15%程度、男性不妊と診断された方では40%ほどに見られます。
生活習慣改善や栄養補給で精子・精液を増やそう
精子を増やしたい男性に向けて、検査で用いられる基準値や精子の質を高める方法を解説しました。精子の質は肉眼で確かめられないため、何らかの心配がある場合は医療機関などで検査を受けましょう。精子の質は、食生活や生活習慣の改善、適度なマスターベーションなどで改善する可能性があります。あるいは、精力剤で魅力的な栄養素や成分を摂取することもできます。
あかひげ薬局は、300万人以上の購入実績がある精力剤に特化した薬局です。豊富な知識と経験をもとにあなたの深刻な悩みにお答えしています。気になる点がある方は、あかひげ薬局に相談してみてはいかがでしょうか。
内原 茂樹 / Uchihara Shigeki
株式会社ワン・ツー創業者
あかひげ薬局創業者
<略歴>
芳香園製薬に入社し、各地支店長を歴任したのちに、独立。
1987年に愛知県名古屋市に精力剤専門店あかひげ薬局を創設。
数多くのTV・ラジオ番組に出演
「おとなの子守唄」「艶々ナイト」「今夜もハッスル」などに出演。
<主な著書>
「中高年のための気持ちいいセックス」(1997年10月、現代書林)
「誰にも聞けなかった精力剤完全ガイド」(2001年3月、現代書林)
<メディア>
・艶々ナイト(テレビ埼玉)
・今夜もハッスル(サンテレビ) 等